

"エコロジー=環境保護活動"と連想する方が多いと思いますが、もともとエコロジーは"生態学"という意味です。そして生態とは、生命が営まれている環境、生物同士が"有機的なつながり"で成り立っている状態を意味することから、人間と自然との調和が保たれているコトやモノ全般に使われるようになりました。
エコロジーはなんだか広義すぎて、実態のないように思えてしまうときがありますよね。けれど、その意味を辿れば"お互いのためになっているか"ということですから、実にシンプルです。


私は今の社会の中で、人々がエコロジーな暮らしを実現するためのポイントになるのは、"家族"だと思います。家族は人間にとって最も身近なつながりのひとつです。お互いを想って行動すること、家族とより強いつながりを築くための暮らし方そのものが、エコロジーと言えるのではないでしょうか。
ご存知の通り、光熱費の節約は家計にも嬉しい効果を生み、CO2削減にもなります。土壌や大気汚染の被害を出さない無農薬の野菜は、安心で美味しいですよね。自転車に乗ればガソリン代はかからず、CO2も出さず健康にいい。私たちが行っている行動、選択の一つひとつが、自分や家族のためであると同時に、多くのものとリンクしています。私もできる限り、大切な家族や人々が幸せになるためのモノを作り、選びたいと思っています。
でも正直なところ、私は昔からエコロジーやオーガニックを意識して生活をしてきたわけではありません。朝から晩まで仕事ばかりの日々で、むしろその逆と言ってもいいくらいです。けれど、長男が障害を持つチャレンジドとして誕生したことをきっかけに、仕事も暮らしも一変しました。深く悩んだこともありましたが、ちょっと視点を変えれば、今の自分だからできる仕事と選択があることに気が付いたのです。エコロジーへの試みとは、誰かのために、何かのために、そして"お互いのためになっているか"を意識することから始まるのだと思います。


現在も核家族化は進み、人と人とのコミュニケーション不足が問われています。家族や人とのつながりが薄れてしまったことは、エコロジーに大きく関与していると思います。
何十年か前までは、家に帰ればおじいさんやおばあさんがいて、ひとつの部屋で一緒に食事を摂るから光熱費も無駄がなかった。町内や街では祭りなど多世代間の交流が活発に行われ、子供から年配の方まで、それぞれに役割もありました。
もう少し時代をさかのぼると、障害を持つ人々も村の中で火を守る役割が与えられるなど、家族や地域を守るための仕事を任されていたのです。
マンションは同じ街、環境、施設、住まいを選び、ライフスタイルと価値観の近い方が集っています。趣味だって似ているかもしれません。近い価値観を持つ人々が周りにいるということは、とても大きな意味があると思います。世帯間のコミュニケーションが深まれば、お互いの特技を活かして役割を分担し、より効率的で充実したエコロジーを実践できる可能性もある。身近なものに目を向けて "コミュニケーション=つながり"、"つながり=エコロジー"と考えれば、エコロジーはずっと楽しく、幸せな行動になると思います。


1970年東京都町田市生まれ。明治大学法学部卒。現在は中小企業診断士として活躍。
商社、コンサルティング会社勤務を経て、2005年、ベンチャー企業にてオーガニック化粧品ブランド「アグロナチュラ」の立ち上げを行う。ゼロからの市場調査、製品開発、デザインディンディレクション、チャネル構築、プロモーションミックスを行い発売後9ヶ月で市場価格で約10億円の規模とする。
2006年、独立し株式会社トライフ設立。企業、地方自治体、社会福祉法人等へのコンサルティングに従事。
2009年、福祉作業所の授産製品を一般流通につなげる活動団体「セルザチャレンジ」の立ち上げを行い、コンサルティング活動に加えてより具体的な福祉とビジネスの融合に向けた活動も開始。
2010年、世界各国の音楽をテーマにしたソシアル・オーガニックブランド「インフィニストリア」のプロデュースを行う。12月には書籍も出版予定。